タイヤのひび割れを防止するためには?事故を防ぐ方法

タイヤにひび割れが起きると、タイヤを交換しなければならないことがあります。経年劣化によってある程度は避けられないものではありますが、ひび割れを防止することは、タイヤを長持ちさせるために重要なことです。そこで今回の記事では、タイヤがひび割れを起こす原因について解説し、その予防法についても考えていきます。タイヤ交換のスパンを長くすることができれば、コストダウンにもつながるでしょう。

タイヤのひび割れ原因は3つある

タイヤのひび割れは主に、

・紫外線、直射日光の影響

・タイヤワックス、洗剤の使用

・空気圧が低い状態での走行や荷重

この3つが原因となって発生、進行していきます。つまり、これらの要因を取り除くことで、タイヤのひび割れを抑制することができます。一つずつ詳しく見ていきましょう。

紫外線から車を守るために

地球に届く太陽光の一つに紫外線がありますが、実はこれがタイヤにとって良くないものなのです。というのも紫外線を照射されると、タイヤの内部で化学反応が起き、ゴムの成分が変質、すなわち劣化してしまうからです。さらに、直射日光によって高温乾燥の状態になることでも、タイヤの劣化は加速します。したがって、タイヤのひび割れを防止するためには、紫外線の影響や直射日光を避けることが重要といえます。

タイヤを紫外線に晒さないために、日陰や屋内ガレージに駐車すると効果的です。自宅に駐車場やガレージがない場合には、UVカット効果が施されたボディーカバーを試してみましょう。購入の際には、車がタイヤまですっぽり覆われるようにサイズを確認してください。

もちろん車だけでなくタイヤを保管するときにも、直射日光を受けない日陰の暗室や風通しの良い場所が望ましいです。自宅でタイヤを管理することが難しい場合には、タイヤ専門店やディーラーなどでタイヤの保管サービスを行っていることがあるので探してみましょう。

劣化防止剤を長持ちさせる

ひび割れを防ぐためには劣化防止剤を長持ちさせることが有効な手段ですが、その方法は大きくわけて3つあります。

劣化防止剤を長持ちさせる方法1:洗剤やワックスに注意する

タイヤには、紫外線の影響からゴムを守り、劣化を抑制する劣化防止剤という成分が含まれています。これが消費しきると、タイヤの劣化、つまりゴムのひび割れが進行してしまいます。劣化防止剤が消費されてしまう原因にはいくつかありますが、油性ワックスの使用はそのうちの一つです。

タイヤにツヤを出したい時に使うタイヤワックスには油性と水性の二種類があるのですが、シリコンを親油性の溶剤に溶かして作られた油性のものには、タイヤに浸透してゴム内の劣化防止剤と混ざり、そのまま溶け出てしまうという性質があります。油性のタイヤワックスは比較的安くてタイヤのツヤが長持ちし、雨に濡れても落ちにくいなどのメリットはあるのですが、タイヤの劣化を防止するためには頻繁な使用は避けた方がいいでしょう。

一方、シリコンを水に溶かして作られた水性のタイヤワックスは、タイヤの劣化防止剤を溶かしてしまうことがありません。ヒビ割れや色あせを促進することなくタイヤにツヤを出してくれるので、プロも使用する業務用タイヤワックスには水性のものがよく使われています。

比較的高価で雨に濡れたら落ちてしまいますし、油性ほど鮮やかなツヤと色味は出ないなどのデメリットはありますが、タイヤを長持ちさせることを考えればベターな選択です。ただし、タイヤの接地面であるトレッド部は、快適な乗り心地やグリップ力を確保する為に柔らかいゴムが使われているので、水性であってもワックスは塗らない方がいいしょう。

最近では油性のタイヤワックスでも、シリコン配合量を増やしタイヤへの悪影響を改善した商品もあるので、そういったものも探してみましょう。色褪せがどうしても気になるという方は、自然な黒の色味を取り戻してくれるスプレーコートを検討してみてください。

タイヤの油をよく落とすと評判の洗剤や重曹なども、劣化防止剤を取り除いてしまうことがあります。タイヤを洗剤で洗うことによっても劣化防止剤が流れ出してしまうので、ひび割れ防止のためにはタイヤは洗剤を使わず、水洗いだけするようにしましょう。お湯洗いもおすすめできません。

劣化防止剤を長持ちさせる方法2:気化させない

劣化防止剤は気化しやすいため、なるべく熱を与えないようにすることが大切です。ですから、夏は特に、高温になりやすい屋外のアスファルトやコンクリート上での保管は避けましょう。

保管場所としては、ガレージ・物置・建物の脇・室内など、風通しがよく直射日光の当たらない場所を選んでください。あるいは断熱シートをホームセンターなどで購入し、それをアスファルトやコンクリート上に敷いてからタイヤを乗せるのも有効な方法です。

劣化防止剤を長持ちさせる方法3:定期的に走らせる

劣化防止剤は、車が走行したときにタイヤがたわむことで、タイヤの表面に少しずつ滲み出てくるようになっています。逆に言うと、タイヤがたわむ状態にならないと防止剤がでてこないということ。

つまり、しばらく乗ってないタイヤほど、ひび割れを起こす危険性が高いということになります。したがってタイヤを余分に持っている方は、定期的に付け替えて走らせてあげることをおすすめします。

空気圧や荷重のメンテナンスをしっかり行う

空気圧が低いと、当然ながらタイヤは変形しやすくなります。荷重がかかり過ぎても、タイヤはつぶれた状態で接地することになります。すると、タイヤの表面だけでなく側面部にも摩擦がかかり、ゴムが摩耗し、劣化が加速していくのです。

トラックなどでなければオーバーロード(過荷重)になることは稀だと思いますが、空気圧が低いと重さを支える力も減るので、最低でも月に一回はチェックするようにしましょう。

タイヤのひび割れは即交換?どのくらいからが危険なの?

タイヤのひび割れは予防することが大事ですが、実際に起こしてしまったときには、どの程度から致命的なものになるのかが気になるところ。 同じひび割れでも、まだ比較的軽度で補修の必要がないものから、バースト直前の非常に危険なものまで様々です。

ひびが、タイヤの表面にうっすらと見える程度の浅いもの(ひびの深さが1mm程度)の場合であれば、まだ補修の必要はありません。ひびの幅や深さが大きく、「亀裂」と呼べるぐらいになっていたら、早急にタイヤ交換を行いましょう。

タイヤのひび割れを防止する方法は以下の通り。

・日陰や屋内ガレージに駐車する

・アスファルトやコンクリート上に保管しない

・ボディカバーでタイヤを覆う

・油性のタイヤワックスの使用を控える

・洗剤を使わずに水洗いする

・定期的にタイヤを走らせる

・空気圧を適正に保つ

※「あんしん!タイヤ保険」では、「自然劣化や摩耗」「空気圧不足」は補償の対象外ですので、ご留意ください。